ブックレビュー

【書評】神さま仏さまがこっそり教えてくれたこと 著:悟東あすか

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すべての人間が神仏に見守られている——「見えないもの」の存在を感じる不思議な体験をもつ真言宗の尼僧・悟東あすかさんはそう言い切る。にわかには信じがたいが、本書を読み進めると、確かに神仏のはからいだったかと思える出来事が自分にもあったような気がしてくる。

例えば私の場合、人の忠告や助言に耳を傾けず我を押し通した時、「言うことを聞いておけばよかった」と後悔することが多い。そう感じるとき、そこには神仏のメッセージがあるのだとあすかさんはいう。

良いことがあれば、神仏のおかげさま。「神さま(仏さま)ありがとうございます」と心で唱え、感謝すると小さな喜びはやがて大きくなっていくのだとか。不都合なことがあった時には「神仏は自分に何を教えているのだろう」と振り返れば、失敗も人生の糧になっていく。つまり、喜びは感謝で受け取り、不都合なことがおきても「反省、反省」と考えて落ち込みすぎなくてもいいということだろうか。

大日如来、帝釈天、地蔵菩薩に観世音菩薩……巻末には代表的な神仏とその祈り方、ご利益がまとめられている。信仰をもっていなくても大丈夫、年越しや元日に神社仏閣を訪れる際に祈るだけでもご利益はあるようだ。

助けてほしい、あるいは叶えてほしい願い事がある時に心で神仏を念ずるだけでつながることもできる。方法はいろいろあるのだが、大事なのは自分のすべてを委ねること。「助けてください」「自分にとって最良の結果をください」と神仏に命運を“お任せ”すれば、必ず味方してくれるという。ただし、他人を陥れたいといった願いをもつと神仏のお叱りを受けることになるようだ……。

信じるものは救われる。物事に一喜一憂して生きる人生と神仏が味方だと信じて堂々と生きる人生と、どちらが豊かな生き方につながるだろうか。

 

〈書籍情報〉
神さま仏さまがこっそり教えてくれたこと
著者:悟東あすか
出版社:ダイヤモンド社
定価:本体1300円+税
発行日:2018年1月24日発行
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