働く者を幸せにする経営

都田建設 「BBQ(バーベキュー)が育む、〝思いを一つにする〟経営」

編著=前野隆司 取材・文=千羽ひとみ(フリーランスライター)
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今回の「働く者を幸せにする経営」は、静岡県浜松市の都田建設を紹介する。
家を建てる人の気持ちに寄り添い、人生の感動を分かち合う――。
そんな〝1本の映画のような家づくり〟に惚れ込む人は多い。

同社が上質なサービスを実現させるために行っていること。
それが、週1回、職場で行われるBBQ(バーベキュー)だ。

なぜ、BBQなのか? そこに込められた思いは?
代表取締役社長の蓬台浩明(ほうだい ひろあき)さんに聞いた。

仕事の原点は、お婆ちゃんからの〝あんたに頼むわ〟

都田建設社長、蓬台浩明さん

静岡の田園地帯に、突如として現れる『北欧』

JR浜松駅から車でおよそ30分。静岡県浜松市北区の都田(みやこだ)は、ぶどうや梨、みかん等のフルーツ栽培が盛んな農業地区だ。ここに突如として現れるのが、北欧直輸入の家具や食器、カフェやオーガニックワインを取り扱うショップが立ち並ぶ『DloFre’s(ドロフィーズ)』。

大きな窓が印象的な木造の家屋を覗くと、そこは中央に10メートルはあろうかという大テーブルが置かれたデリ。窓から降り注ぐ陽光の中でいただくオリジナルフードとスープが美味しい。
すぐ隣には、イタリア製の食器・iittalaや北欧家具を並べたインテリアショップが並び、道をはさんだ向かいには、薪ストーブに人気の鋳物ホーロー鍋・STAUBを組み合わせて展示したギャラリーや、人気の北欧生まれのファブリック・marimekkoのショップもある。
『DloFre’s』は、8000坪の敷地の中に19ものショップや施設が点在し、そぞろ歩きを楽しみながら、北欧のライフスタイルを満喫できるスペースなのだ。

広大な敷地にライフスタイルを提案する店舗が点在する

北欧家具に囲まれて体に優しいカフェランチが楽しめる「ドロフィーズカフェ」

リノベーションされた築100年の蔵で読書を。「蔵で旅するブックストア」

天浜線「都田駅」にも同社のコンセプトを伝える「駅カフェ」がある

こんな『DloFre’s』をプロデュースするのが、株式会社都田建設。
〝1本の映画のような家づくり〟を標榜する注文建築の会社で、家族が喜びと悲しみを積み重ねつつ過ごす毎日は情感豊かな映画のようなものであるとして、その舞台としての家づくりをテーマとしている。
北欧空間『Dlofre’s』は、そんな雰囲気のあるライフスタイルのためのインスピレーションを届ける場として作られたもので、夢(Dream)、愛(Love)、自由(Freedom)、仲間(’s)から各数文字を取って名付けられたという。

こうしたライフスタイルのあり方から提案する家づくりを求めて、遠くは東京・大阪からも人が訪れ、また地元で感銘を受けた人たちが次々と住宅設計をオーダーする。都田建設は、浜松のこの小さな町にありながら年間100棟を建設。着工まで数か月待ちと言う、いま注目の住宅会社なのだ。

そしてこんな都田建設の成長を支えているのが、週1回1時間、社員総出で500回以上続けられているBBQ(バーベキュー)。都田建設社員の団結力と上質なサービスは、なんとこのBBQから生まれているという──。

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