あたらしいわたし 禅100のメッセージ

仏教にはいくつもの宗派があります

広瀬裕子(作家)× 藤田一照(僧侶)
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僧侶の藤田一照さんが、
作家の広瀬裕子さんからの
100の質問に答えます。

――仏教にはいくつもの宗派があります

画像・AdobeStock

――仏教は複数形です

いまの仏教には、大きく三つの流れがあります。
大乗仏教は、マハーヤーナと言われるものでインドではじまり中国につたわり、
朝鮮半島・台湾・ベトナム・日本にきたものです。
それから、スリランカ・タイ・カンボジア・ビルマ(現・ミャンマー)等で
つづいているものが、南方仏教、テーラワーダ(上座部)と言われるものです。
もうひとつが、独特の文化と環境で育まれたチベット仏教。
仏教とひと言で言っても、少なくとも三色あるんです。
その三色のなかに、よく見るとさらにグラデーションがある。
仏教は多様なんです。単数形ではなく、複数形のものです。

※マハーヤーナ 古代インドのサンスクリット語のmahā(偉大な)とyāna(乗り物)の複合語で、大乗仏教のこと。

 

藤田一照

*  *  *
今回、一照さんに100の質問をしました。
坐禅のときに感じていた疑問が「ああ、そういうことか」となったことがいくつかあります。
「あたらしいわたし」というのは、もう一度、生まれ変わる、ということです。
生まれ変わるのは、何度でもできます。
できごと、ものごとの見方を変える、受けとめ方を変える。
それによって、受け応え、表現方法が変化する。自分自身が変化する。
自分が変われば、暮らし方が変わり、暮らしが変われば、自分も、生き方も変わっていきます。
こうしたら、こうなる──。
それは、魔法でもなんでもなく、自然のルール、宇宙のルールだと、一照さんは、言っています。
「真理に目ざめ、生きることで、しあわせになるように」と、お釈迦さまは望まれたそうです。
あたらしいわたしになって、どんなときでも、しあわせであるように。
この本がそのきっかけになれば、うれしく思います。

広瀬裕子
(『あたらしいわたし 禅100のメッセージ』前書きより抜粋)

*広瀬裕子

東京都生まれ。エッセイスト/設計事務所ディレクター/縁側の編集室共宰。「衣食住」を中心に、こころとからだ、日々の時間を大切に思い、表現している。
2017年冬、香川県へ移住。おもな著書に『50歳からはじまるあたらしい暮らし』『整える、こと』(PHP研究所)、『手にするものしないもの 残すもの残さないもの』(オレンジページ)など多数。

広瀬裕子オフィシャルサイト http://hiroseyuko.com
*藤田一照

1954年愛媛県生まれ。曹洞宗僧侶。東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士課程を中途退学し、紫竹林安泰寺にて出家得度。1987年よりアメリカのマサチューセッツ州にあるパイオニア・ヴァレー禅堂に住持として渡米。のち、サンフランシスコの曹洞宗国際センター長として日本と海外を往還していた。著書に『現代坐禅講義――只管打坐への道』(佼成出版社)ほか。

オンライン禅コミュニティ「磨塼寺」https://masenji.com/
あたらしいわたし
共著者:藤田一照×広瀬裕子
出版社:佼成出版社
定価:本体1,200円+税
発行日:2012年12月
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