「『禅』の教えを知れば知るほど、私自身、こころの風通しがよくなっていきました」と語る広瀬さんに、禅の魅力と本書に込めた思いをお聞きしました。
――禅に興味を持ったきっかけは
漠然と坐禅をやってみたいと思っていたときに、 曹洞宗の僧侶・藤田一照さんと出会ったのです。お坊さん然とされていない、 気さくなお人柄に惹かれました。
より深く知りたくなったのは、 実際に、 一照さんの坐禅堂で坐るようになって、「結果自然成」という禅の教えに出合ったからです。意味は、「いまの自分がいままでの目標としていた自分であり、いまが結果である」。
分かり易くいうと、いまのままで充分であるという意味だそうです。それまでの私は 「目標を持ち、そのことに向かって進む生き方」を選んできました。だから、思うようにいかないと落ち込んだり、自分を責めたり考えすぎたり。そんな生き方に疑問を感じていました。
「いまの自分でいい」。そんな考え方があるんだと思ったとき、肩の荷が降りたような、生きやすさを感じたというか、禅が新しい自分の窓を開いてくれる気がしたんです。
三浦郡・葉山にある坐禅堂
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