北原照久の“元気になる魔法の言葉”

大切なものは

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言葉には魂があり、力があります。ブリキのおもちゃ収集の第一人者・北原照久さんは、心に響いた珠玉の言葉をメモし、生きる糧にしてきました。そんな名コレクター北原さんの言葉の数々をご紹介――。

大切なものは かつてではなく これからでもない 一呼吸一呼吸のいまである

                                                                       ©村松真砂子

真民さんの詩の力

ある成人式で講演したときのことです。壇上に立つと、3万人の若者が集う場内は酔っぱらった輩もいて、「ひっこめ、出ていけ!」とヤジの嵐。

僕は一呼吸おき、仏教詩人の坂村真民さんの詩を挙げ、
「君たちは“念ずれば花開く”という言葉を知っているか? それは、一所懸命念ずるように努力すれば自ずと道は開けるという意味だよ」
と語りかけました。

そして、もう一つ、真民さんのこの詩を紹介したのです。
「念という字は、“今”の“心”。いま、君たちがいて、僕がいる。いまがすべてなんだ。このいまを大切にできないで未来は築けないんだよ」。
場内は水を打ったように静かになりました。

若者に人生の指針となる話をさせてもらいたいと念じながら、この詩を紹介しました。

北原 照久(きたはら てるひさ)
北原 照久(きたはら てるひさ)
1948年、東京都生まれ。青山学院大学卒。86年、横浜山手に『ブリキのおもちゃ博物館』を開館。また、現在、羽田、箱根、河口湖、大阪にも博物館を展開。テレビやラジオ、各地での講演会等でも活躍中。
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