対談

次の一歩を踏み出すために 
元結不動密蔵院住職・名取芳彦 
NHK大相撲解説者・舞の海秀平

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揺るぎない目標があってこそ

名取舞の海さんは取組中に負傷をされて休場し、幕内から十両に陥落してしまうということがありました。その後、見事な復活を果たされましたが、土俵生活の最大の危機を乗り越えた原動力とは何だったのですか?

舞の海小錦関との一番で、左ひざの内側側副靭帯を損傷しました。そのときは引退を覚悟しました。でも、世の中にはこのくらいのけがを負っても競技に復帰した人は大勢いますし、もっと大きなけがから復活したという人も少なくありません。すると、このけがを理由に辞めてしまうのは、「困難や苦しさから逃げているだけではないか」と思えてきたんです。それで、「結果はどうなるかわからないけれど、幕内復帰を目指して挑戦してみよう」と決意をして、リハビリにトレーニング、稽古に打ち込むようになりました。

名取困難や挫折という“失敗”に直面したとき、そこであきらめてしまわないでもう1回立ち向かっていけるモチベーションは、やはりしっかりとした目標があるかないか、なのですね。

特別対談 次の一歩を踏み出すために

舞の海目標に向かって進んでいくときの、気持ちの強さも大切ではないでしょうか。相撲部屋に入門するための新弟子検査では身長が足りなくて、それで頭頂部にシリコンを埋め込む手術を受けて、2回目の検査でようやく合格しました。そんな狂おしいほどの情熱も、ときには必要なのかもしれません。それから、困難を乗り越えたあとの爽やかな達成感や充実感は、何物にも代えがたいものがあります。

名取それは周りの人からの評価ではなくて、自分で「これでよし!」と自信をもって言えるかどうか、ということなのだと思います。

舞の海だからこそ乗り越えると、見える景色も変わってくるのでしょうね。

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