インタビュー

漫画家・タレント蛭子能収 自立が最優先。だって自由になれますから

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自由気ままな振る舞いが評判の蛭子能収さん。
その笑顔とマイペースさは自信あってのものなのか?
〝蛭子イズム〟をうかがった。

蛭子能収

もたなければ、失うこともない

――蛭子さんの人生相談の本が評判です。そのなかで、自分の容姿、仕事、すべてに自信を失っているサラリーマンからの相談がありましたね。

はいはい。「自信をもったことがない僕に聞きますか?」って思える質問でしたね。
僕は小学生のときから、自分の能力を低く低く見積もっておく癖があって、勉強や仕事、才能も容姿も、人より劣っていると思うようにしてきたんです。
そうしていれば、失敗しても「仕方がない」と思えるし、少しでも上手くいったときは、周囲に褒めてもらえますからね。

先日、僕が主演した映画・『任侠野郎』のビデオを女房に観てもらったんです。女房はずっと僕の演技をバカにしていました(笑)。確かに僕の演技は、元ヤクザの役なのに何の迫力も無いんです。自分の演技に自信をもっていたら、恥ずかしくて外を出歩けなかったかもしれません。最初から演技の才能は無いと思っていれば、落ち込むこともない。自信は無いほうが良いときもあるんです。

――自信をもたないというと、とても消極的な生き方のようにも思えますが。

何でも初めて習うことだと思って初心者のように振る舞っていれば、恥をかくこともないし、教えてくれる人が年下でも知識や経験が豊富だったら、その人から素直に学べばいいじゃないですか。こちらが年上だからといって、自分のほうが偉いだなんて思わないようにしています。

僕は自信をもたないようにしていますけど、一方で失いたくない核のようなものがあって、それが何かといったら、「漫画」なんです。漫画家になることが僕にとっては何よりの夢だったし、それが自分のいちばん好きなことで、やりたいことだからです。漫画家という核があるからこそ、演技に自信がなくても俳優やタレントの仕事にチャレンジできると思うんですね。

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