インタビュー

人生で、困った人ほど落語でたくさん笑えます 落語作家 小佐田定雄

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怒って過ごすか 笑って過ごすか

手ぬぐいと扇子

画像・AdobeStock

また、落語を聞くと頭の訓練にもなると思います。

扇子と手ぬぐいだけの道具と、他に何の舞台もいらず言葉一つだけで頭の中で絵を描く、聞き手の想像力がものすごく大事なわけです。

お客さんが自分の頭の中でどんどん舞台を作らんとおもしろくない芸でもあるんです。ということは、ものすごく脳を活性化させてくれる効用があるんですね。

ですから落語をライブで見るということは、中高年の皆さんにはええことなんやと思います。もちろん、ボケ防止のために来ている人はいませんけど(笑)。やはり寄席に来てはる方は、総じてしっかりしてはります。

笑える余裕が心になければ人の言うことも聞けなくなるでしょうし、そこから争いになり、喧嘩になって、やがて戦争ですからね。

トラブルが発生した時に、客観的に見て、相手の言うてることもおもろいなと思って、フッと笑いが出たら、そこで喧嘩しようという気にはなりません。中高年になったら一番大切でしょうね。

笑って過ごすのも、怒って過ごすのも同じ人生ならば、笑っているほうが幸せですからね。そのほうが人も寄ってくるでしょうし尊敬されるかどうかは別にしても、親しまれるのは間違いないですからね。

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