『今年の漢字』『ひこにゃん』『うどん県』など、
数々のブームに火を付けたPRプロデューサー、
殿村美樹さんが実践する情報収集術とは?
町を歩き、五感と本能で情報を収集する
私が情報収集でモットーにしていることは、五感と本能に従うことです。
なるべく自分が感じたものを大切にするようにしているのです。
たとえば直接、どなたかとお会いしたときに、何に顔色が変わるのかとか、レストランで何を選ぶのかなど、そういう何気ないところに真実があると考えています。
インターネットの情報や人の噂に左右されてしまうのは、照らし合わせるものがないからだと思いますが、五感と本能を基本としていれば、だいたいみんな共通しているものですからそれほど違いは出ない。熱いといえば熱いし、痛いといえば痛いし、空腹は空腹、臭いものは臭い、いい香りはいい香り。
そういう人間が感じる五感と本能をもとにしているとブレないんです。
街の雑踏に身を置き、社会全体の空気を感じに行くこともあります。「現場百回」です。
時代の空気感を読むことでいちばん大切なのは、「普通の大阪のおばちゃん」でいること。特別なところに行かなくていい。いつも一般的な感覚をもち続けたいと思っています。
とくに服装の色に世の中の空気が見えたりします。喪服は黒ですね。それは当然で、暗い気持ちのときは、暗い色を選びます。
気を引き締めないといけないときも濃い色、暗い色を選びます。華やかな気持ちのときは暗い色をあまり着ないんですね。とくに女性は顕著に出ます。
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