古来、日本人は、すべてをいのちの発露として、大切にしてきました。
山にも川にも、土にも樹にも、風にも岩にも神が宿ると信じ、あらゆるものを神さまとして敬ってきました。それが、日本人の根底にある宗教観だと思います。
それは、インドにおけるヒンドゥー教も同じです。
ヒンドゥー教は大自然から生まれた宗教です。特定の指導者がつくりあげたものではありません。
『ヴェーダ』という膨大なヒンドゥー教の聖典も、特定の人がつくりあげたものではありません。それは、天啓の書といわれるように、神さまからの啓示によってあらわれたものなのです。
神さまはたくさんいます。日本の神さまは、八百万といいますね。ヒンドゥー教の神さまは、もっとたくさんいます。およそ三億といわれています。
それらの神さまを、インド人はみんなばらばらに信じています。ひとりひとり自分で自分の神さまを決めます。祈りの時間もまちまちなのです。
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