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【レポート】日本ホリスティック医学協会主宰「ホリスティック医学の現在、過去、未来」

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4月1日、日本ホリスティック医学協会主催のシンポジウムに参加してきました。
登壇者は、上野 圭一(翻訳家、日本ホリスティック医学協会名誉顧問)、おのころ心平(「ココロとカラダ塾」主宰、カウンセラー)、降矢英成(赤坂溜池クリニック院長、日本ホリスティック協会会長)の3名。

東京・神田で行われた日本ホリスティック医学協会のシンポジウム。左から降矢英成氏、上野圭一氏、おのころ心平氏

 

まず始めに、おのころ心平氏が講演。
AI技術の医療に与えるインパクトから、ホリスティック医療の未来を描いてみせた。医療ビックデータと個人診断の必要性、さらにはゲノム編集の可能性へと話は発展。そして聴講者に「病気+健康で生まれる上位概念は?」という質問を投げかけ、それに対し聴講者からは、「感謝の念」「健康への再確認」といった回答が寄せられていた。また、日本のホリスティック医学の現在を見るとき、前会長の帯津良一氏(帯津三敬病院名誉院長)の貢献は大きいと力説した。

医療者+患者っで生まれる上位概念とは? 信頼、共有

 

次に登壇したのは、上野圭一氏、アメリカで見てきたホリスティックの黎明期のお話や、アンドルー ワイル博士などの翻訳を通して培ったホリスティック医学への知見を披露。ここでも、組織というのはリーダーの人柄に負うところがある――その意味では藤波襄二初代会長(東京医科大学名誉教授)、帯津氏の影響力は大きかったと述懐されている。そしてアランワッツの言葉を引き、ホリスティックと個を次のように定義している。「太陽も空気も心臓と同じく欠くことのできない重要な部分である。わたしがその一部をなしている(宇宙全体の)『運動』は、『誕生』と呼ばれるている(便宜上、全体から切り離された)出来事よりはるか昔の過去に始まり、『死』と呼ばれている出来事ののちも永劫に続いていく。わたしたちはただ、ことばと便宜上のうえから、全体をなす、まったく定義不可能ななにかと切り離されているにすぎないのだ」(上野圭一著、サンマーク文庫『ヒーリング・ボディ』の『世界はわたしのからだ』と題したエピローグから)、と。

ビックバンからの進化の網の目も視座にいれなければならない

最後は3者による鼎談。
降矢英成氏は、学生時代からホリスティック医学を志した。それはちょうど漢方が保険適用される時期だったと述懐。ホリスティック医学の歴史を理解するには、カウンターカルチャーなどへの理解が必要であると提言。ホリスティック医学は一方的に患者が受けるものではなく、医療的措置を求める人は、医師に頼るのではなく生まれついて備わっている生命力を生かすことが必要である。そこから本当の患者学が始まるのである、と結ばれた。

日本ホリスティック医学協会HP http://www.holistic-medicine.or.jp/

 

 

 

〈書籍情報〉
白隠禅師の気功健康法――新呼吸法「時空」実践のすすめ
著者:帯津良一
出版社:佼成出版社
定価:本体1,900円+税
発行日:2008年8月
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