インタビュー

Thai Life: タイで見つけた気づきの生活(4)

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翻訳家・浦崎雅代さんによるタイ仏教についての連載です。(最終回)

——前回のインタビューでは、タイでの講師生活とその後、フリーランスの翻訳者としての生活についてお尋ねしました。現在は、広くタイの文化や仏教について発信される表現者としての生活を始められました。そこで、タイの仏教とそのお寺の特徴について教えてください。

はい、タイの仏教を大きく見てみます。タイ仏教には日本のような宗派は、基本的にはないと考えていいでしょう。ただ、より戒律遵守を重んじる少数派のタンマユット派と在来で多数派のマハーニカイ派があります。しかし教えに違いはありません。

町のお寺

お寺もタイ全土で見てみると、町の寺、村の寺、森の寺と分けられます。バンコクに行ったことのある方は、ワット・プラケオとか、ワット・ポーという名前を聞いたことあると思います。観光地的なところに多い、キラキラした装飾が目立つのが町の寺です。

村のお寺

二番目は村の寺。村人の冠婚葬祭をするのが主になります。もちろんお坊さんたちは戒律を守って修行しますが、村人の現世利益的な願いに応えるお坊さんもおります。

例えば、タイの人は宝くじが大好きです。宝くじの当選番号を当てられると言われるお坊さんは、とっても人気です。本当にあたっているのかどうか良くわからないですが(笑)。スピリチュアルなパワーを持っているとされるお坊さんも、一般には人気ですね。

日本と異なり、タイには檀家というのはありません。普段徳を積むための布施には村の寺のお坊さんを訪れるけれど、説法を聞きに行くんだったらこの寺のお坊さん、という感じで自由です。わかりやすく言えば、お坊さんはアイドル的な存在。宗教的なカリスマとアイドルへの人々の関心の向け方は、すごく似てきます。霊験あらたかなる力を持つとされるお坊さんの像が入ったペンダントを、身につけている人もいます。

森のお寺

三番目は森の寺。あるいは森だけではなくて、洞窟とセットになっている場合もあります。タイの東北部は洞窟が多く、洞窟の中で瞑想修行に専念するお坊さんもいます。 スカトー寺も正確には 「ワットパー・スカトー」、ワットが寺、パーが森です。「スカトー森林寺」という意味になりますね。

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