ニュース・レポート

「感じる身体・実践する心」Zen2.0レポート(1)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

9月8日と9日の両日、禅とマインドフルネスについての日本初の大規模な国際フォーラム〝Zen2.0〟 第2回が、日本の「禅」発祥の地、鎌倉五山第一の建長寺及び隣接する学校法人鎌倉学園において開催されました。その内容を紹介していきます。

マインドフルネスは「ゆるみ、ゆるす」です、と語る島田氏

「すべてと和解するマインドフルネス」

島田啓介:プラムビレッジ正会員、里山ハウス「ゆとり家」主宰。

*  *  *

静寂の中に鈴が鳴る。その音に耳を傾け緊張をほぐし、周囲に微笑むことから島田さんのワークは始まりました。
このワークではマインドフルネスに向き合う時、陥りがちな罠について丁寧に語られます。

島田さんによれば、マインドフルネスはジャッジせず、ありのままに観ることが基本となりますが、上手くやろうとすることが、そもそも判断(ジャッジ)することに繋がってしまう、ということです。

だからまず、“Relax and allow”(ゆるみ、ゆるす)――「気づいたら気づいたでそれでいい。それを直すのではなく、気づいたことで“ゆるみ、ゆるす”」。「まずそこから始めましょう」と優しく語りかける島田さん。

島田氏はプラムビレッジの創設者であるティク・ナット・ハン師につかえている

 

「マインドフルネスをやることによって『人生を良くしよう』とそれを最初にもってくると、ガチガチになってしまうものです。そしてできないダメダメな自分が強調されていくのです。そこで『ダメでもいいじゃないか、ゆるそうよ』ということが必要となってくる」と、島田さんは教えてくれます。

つまり、マインドフルネスではよく観察するのですが、やさしい気持ちで観ましょうよ、ということなのです。

さらに続けて島田さんは、「マインドフルネスは身につけるものではないのです。そんなこと、いやというほどやってきたではありませんか」。マインドフルネスは「“私”という重荷をおろすことなのです」。

「もう自分をジャッジすることはやめましょう。さあ、重荷をおろす時がやってきました」と語り掛け、私たちに寄り添おうとしてくれる島田さんでした。

そして、「自分がゆるみ、ゆるすことができたら、自他との隔てを超えて、周囲とも和解しましょう」。こうして『手のひらで触れる瞑想』が最後に行われることとなりました。

互いに向き合って、合掌、右手下向き、左手は上、「手を重ねればそこには何が見えますか。今ここに確かに存在する私たち、ほら、やわらかな呼吸、手のぬくもりが感じられるでしょう?」。

自分という“重荷”をおろして、周囲と和解できた私たち――島田さんのワークショップはこうして静寂と安堵の中に幕をおろしました。

最後に「手のひらで触れる瞑想」が行われた

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る