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「感じる身体・実践する心」Zen2.0レポート(3)

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9月8日と9日の両日、禅とマインドフルネスについての日本初の大規模な国際フォーラム〝Zen2.0〟 第2回が、日本の「禅」発祥の地、鎌倉五山第一の建長寺及び隣接する学校法人鎌倉学園において開催されました。その内容を紹介していきます。

アジアとアメリカ人という多民族的アイデンティティを持つスティーブン・マーフィー重松氏

「マステリー(統御)とミステリー(神秘)」

スティーブン・マーフィー重松:心理学博士。スタンフォード大学の「ハートフルネス」というマインドフルネスにもとづく変容的教育プログラムの開発者。東西の智慧と科学を統合したプログラムを日米の組織向けにも開発している。

*  *  *

エクササイズについて説明するスティーブン博士

静かにネイティブ・アメリカンの音楽が流れています。セッションは参加者全員の瞑想からはじまりました。

今日2番目のエクササイズ。参加者は方丈内を歩き、出会う人に合掌をして「サウボーナ」と言いながら挨拶するよう促されます。

「サウボーナ!」挨拶しながら方丈を歩く参加者

「サウボーナ」は、南アフリカのズールー語のあいさつ。意味は、英語の「I see you」。「I」も「you」も個人ではなく、「いつも先祖と一緒」という感覚です。「See」はすごく簡単な言葉ですが、「尊敬」するという意味を持ちます。

父方はアイリッシュ系、母方は日系の博士は、多民族的なバックグラウンドを持ちます。将来のことで悩み、黒澤明の映画『赤ひげ』を観て、日米のかけはし、東洋と西洋医学を統合したいという夢を持ちます。ハーバード大学を卒業、スタンフォード大学で15年間教え、日本の東大でも10年間の教職を過ごす。しかし、その過程で何かが違うと感じていたそうです。

「80%の大学一年生は、人生の目的を知りたい、教育の意味と人生の意味を知りたい、生きる目的や自分の価値観をはっきりさせたいと思っています」。

スタンフォードダック症候群

「スタンフォードで教えてますが、スタンフォードダック症候群ということが言われています。一見、水面上では平静にしているんですが、水面下では足をバタバタして溺れそうな状態になっています」。

学生たちは、さまざまな心の問題を抱えています。過食症、拒食症、うつ、不安、脅迫障害、自殺、暴力、殺人事件、躁鬱病、統合失調所・・・。しかし、50%の学生がカウンセリングを受けたくないと言っています。

「アメリカのシリコンバレーでは、若さという信仰がある。20代で社長になる若者がいます。『早く動いて、どんどん壊していこう』。それが良しとされている文化があります」。

シリコンバレーでは、多くの企業がマインドフルネスを導入しています。しかし、企業全体の文化として根付いていないそうです。そして、マインドフルネスが狭い意味でとらえられ、生産性をあげるための側面だけが強調されています。

学生の多くは自分を変えるという意識にとらわれています。「マインドフルネス認知療法」の考えは、まず、ありのままの自分を受け止めること。パラドックスかも知れませんが、それを受け入れた時に変化が訪れると博士は言います。

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