「冬でも、この一帯だけ雪が降らないんです」と島田さん
――さて、1995年当時、ティク・ナット・ハンによって広められたマインドフルネスですが、日本に定着した理由の一つにプラムヴィレッジのスタイルが色濃く影響している、というお話は第1回目で伺いました。では、現在のプラムヴィレッジはいかがでしょうか。日本での働きについてお聞かせください。日本にはプラムヴィレッジはまだありませんね。
日本では歴史が短いというか、まだプラムヴィレッジは出来ていません。ティク・ナット・ハンの来日は2011年に予定されていましたが、ちょうど震災で来られなくなって、そして次に来ようという時、脳出血を患われて来られなくなりました。2014年秋に倒れられたんですね。ただし2015年には、予定のツアーが行われて古いお弟子さん達がほとんど全員集まり、大きな会となりました。
そういったかたちで、毎年、古いお弟子さんたちがプラムヴィレッジから必ずやって来ているのです。アジアで中心となる僧院が香港にあるのですが、そこからも毎年日本にやってきています。ですから縁は深いのです。そして日本からは、タイの山奥にある大きなプラムヴィレッジの年越しリトリートへ、50人以上もの人たちが毎年参加しています。
また、夏や春のフランスのリトリートに行く人も、日本から毎年20人以上います。そうやって行き来していますし、ティク・ナット・ハンのメソッドを伝える瞑想会が日本でも今、15箇所ぐらいあります。2011年からはここ「ゆとり家」で始めましたが(現在は伊勢原サンガの名で活動)、日本では関西の「バンブーサンガ」に続いて古い拠点となりました。その次には東京と名古屋で始まることとなりました。
じつは95年の来日後、僕らも2年ほどは瞑想会を行っていましたが、時期尚早だったのか途絶えてしまいました。唯一バンブーサンガだけはその間も活動をつづけ、今日に至っています。
*ティク・ナット・ハン「マインドフルの教え」というサイトがあります。そのサイトに国内の瞑想の拠点であるサンガがすべて紹介されています。
現在、5月のゴールデンウィークを中心に大体2週間くらいのツアーを毎年、行っています。今年は長くて1カ月くらいのツアーでした。
このように、いろんな形で今紹介されていますが、やがては日本にもプラムヴィレッジを作りたいという希望があることは確かです。今現在、日本人でプラムヴィレッジで出家し修行されている方が、フランスで3人、タイで1人います。
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