インタビュー

漫画家・タレント蛭子能収 自立が最優先。だって自由になれますから

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人と行動するよりも一人ぼっちの良さがある

蛭子能収

――周囲の意見に流されず、好きなこと、やりたいことを大切にしようという、著書の『ひとりぼっちを笑うな』が、10万部を突破するベストセラーとなりました。

漫画も売れてほしいんですけどね(笑)。
僕みたいにあまり友だちがいない人が買ってくれたのかもしれませんね。「共感しました!」と言ってくれる人が意外とたくさんいて驚きました。僕の人付き合いのあり方や行動原理みたいなものを編集者の方に勧められて書きました。

そのころ、無料通信アプリ・「LINE」の書き込みをきっかけに、女子生徒が殺される事件があって……。「何でこんなことで殺されないといけないんだろう」とすごく不思議に思ったのが本を書く動機になりました。SNSの発達で、友だち偏重主義が蔓延していることに、とても違和感をもっていたんです。「LINE」の返事がすぐに返ってこないとか、返事がないという理由で殺されるなら、友だちなんていなくていいんですよ。一人ぼっちだっていいじゃないですか。むしろ「一人でいることの良さ」みたいなことを、みんなに知ってもらいたいと思いました。

――蛭子さんは、友だちと行動するより、一人でいるほうが良かったわけですね。

僕は昔から一人で行動することが多かったと思います。仲の良い友だちはいましたが、共に行動したという記憶はありません。僕はいつも自由に動きたいので友だちを誘うこともしませんでした。

子どものころから、母によく言われていたのは「とにかく学校を卒業したら働くんだよ」ということでした。大事なのは、とにかく働いて自分の生活費は自分で稼ぐ。それに、自立こそが自由に生きることにつながると思うんです。僕は高校を卒業して、すぐに看板店に就職しました。働くと当然、自分の自由時間が激減します。朝7時に起きて、8時半には職場へ出る。仕事が終わる時間は、店主が「じゃ、今日はこれで終わりにしよう」と言うまで。

仕事が終わって、夜の11時までが僕の自由時間でした。それがすごく楽しみで、仕事をしながらアレをしよう、コレをしようとそんなことばかり考えていました。18歳で社会に出た、当時の僕が自由時間にやりたかったことといえば……恥ずかしいけどパチンコでした(笑)。自立することで得られる自由の楽しさをこのとき味わったんでしょうね。

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