ブッダの国・インド

すべて神さまと自分の関係

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神様と自分の関係

何を信じているのかを教義的に説明するのは、とても難しいのですが、一言でいうと「すべてが神さま」「なんでも神さま」「すべてが神さまのもの」と信じているのです。
──「私」というものは、ほんとうのところ何もない。私よりも、強い存在がある。この自分でさえも神さまのものであり、すべてが神さまのおかげだ──
インド人は、そう信じているのです。

「自分には何もない」ということになると、もう神さまにおまかせするしかないのです。
「いいこと」も「悪いこと」も、みんな神さまのおかげです。

豊作になったり、出世したり、何かいいことがあれば、それは、「すべて神さまのおかげ」であって、自分の力で得たものではない。
電車が遅れたとか、物がなくなったとか、病気になったとか、よくないことがあっても、それもみな「神さまのおかげ」なのです。
もともと自分というものは、何もないのですから。
何か物をいただいても、自分の力で得たものではありません。神さまからのいただきものです。

神様と自分の関係

私は貧乏で、隣の人は金持ち。それも、私と神さま、彼と神さまとの関係である。神さまがそう決めたのだ。
──そう考えているから、人と比較して、焦ったりいらいらすることはありません。同じものを欲しがったり、競争することもないのです。
インド人は、このようにすべてを「神さまと自分の関係」でとらえているのです。

マルカス
アサヒトラベルサービス代表取締役・SBI大学院大学講師
インド・デリー生まれ。インド国立デリー大学卒。アサヒトラベルサービス設立。立川談志に入門し、立川談デリーとしても活躍。インド料理店・ブカラをオープン。著書に『インド流!マルカスが紹介するお釈迦様の国』(サンガ)。
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