脳に「プラスの問いかけ」をしよう 株式会社サンリ会長 西田文郎

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正しいと思うと脳は思考停止する

気をつけたいのが「自分が正しい」と思うことです。
じつは、自分が正しいと思うと、脳は思考を停止してしまうんです。

その最たるものが夫婦げんかです。「俺が正しい、私が正しい」とけんかしてしまうことってありますよね。自分が正しいと思うと、脳が思考停止して相手を排除しようとするんです。

また、努力についても同じで、「これ以上できない」という人は、自分の努力の仕方が正しいと思っている人です。その瞬間から困難を打破できなくなり、創意工夫をやめてしまうんですね。

ではどうしたらいいのか。それは、周囲に感謝することなんです。

じつは、脳のことなんかわからない2500年も前に、感謝する大切さをお釈迦さまが説いているんです。
東に向かって先祖に感謝し、西に向かって家族に感謝し、南に向かって人生の師に感謝し、北に向かって友人知人に感謝する。そして天と地、自然に感謝するという「六方拝」という教えです。
この感謝こそが、脳を最高にいい状態にしてくれる問いかけなんですね。

元プロ野球のK選手は、超一流の投手でした。負けた日の翌日は外出できないくらい落ち込むんです。
しかし、そこからがすごいんです。「この負けが、自分を投手としてより成長させてくれるのだ」と、有り難いと感謝するんですね。次の日にはそれはもう猛然と、練習に打ち込んでいるんです。
100回マイナスに考えたら、101回プラスに考えればいいんです。

いつもすべてに感謝するのは、難しいものです。まずは、感謝する習慣やくせを持ってみましょう。朝、目が覚めたら「今日も起きることができて有り難い」と思うとか、寝るときは、夫婦げんかをしたのなら、「今日は健康だったから、けんかもできたんだ。有り難い」と思って眠るんです。

一日の終わりに、マイナスからプラスに書き換えましょう。それも「できるかも」からです。
その問いかけに、脳がちゃんと応えてくれるはずですよ。

西田 文郎(にしだ ふみお)
1949年、静岡県生まれ。日本におけるイメージトレーニング研究・指導のパイオニア。大脳生理学と心理学を駆使し、脳の機能にアプローチする『スーパーブレイントレーニングシステム(SBT)』を構築。北京五輪で金メダルを獲得した女子ソフトボールチームの指導にもあたり、数多くのトップアスリート、経営者を成功に導く。著書に『NO.1理論』『かもの法則』『10人の法則』など多数。

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