インタビュー

苦を滅する道「八正道」 スカトー寺副住職 プラユキ・ナラテボー②

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いずれにしてもゴールは、苦を滅するということで、それはわたしたち誰でもが可能であり、出家、在家の区別にかかわらず可能だということです。

とりわけタイでは、在家でも苦を滅することができるということが強調されています。そのようには言わずに、「出家しなければ悟りや苦しみを滅することなど無理だから出家しなさい」みたいなことを言っている人もいるかもしれません。が、仏典をちょっと紐解いてみれば、ブッタの教えを聞いたり、修行したりして、「悟りを得た」、「苦しみが消滅した」という在家者もいっぱい登場してくるわけですからね。

そもそも、悟りとか苦しみから自由になるかどうかということは意識の問題ですから、別に袈裟を着けたり坊主頭にならなくてもいいんです。

苦しみにはまり込まずに、今ここに生じてくる苦しみを理解し、苦の原因を突き止め、適切な実践を通じて渇愛や執着を手放して苦を和らげていく。そういったことの繰り返しにより、心の全体像がやがて明確となり無明が晴れる。そしてそれが究極の苦しみの終滅につながっていくということです。

この苦しみの終滅を仏教では「涅槃」と呼ぶわけですが、涅槃というのは誰でもが、死んでからではなく生きている間に得られるよ、というのがブッタの見解です。

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