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裸子の尻の青あざまてまてまて 小島 健
イクメン!
恋愛している間が一番楽しいのかもしれない。それが頂点に達してプロポーズになったりして、振られたり一緒になったりします。そのときのドキドキ感ったらありませんよね。
求婚の薔薇束抱へ雪国へ 小島 健
というように真っ赤なバラの花束を抱えてゆくほど格好をつけたりしちゃうのです。そしてめでたく結婚に。 二人だけの新婚生活がはじまります。
臨月の妻に随ふ炎暑かな 小島 健
妻が妊娠しても一緒に買い物に行って荷物を持ったりします。主導権はもちろん妻です。いそいそと健さんは付いて行くのです。
やがて出産。赤ちゃんをお風呂に入れるのはパパの役目。首のすわらないうちはおっかなびっくりの手つきもしだいに慣れてきて、オムツの交換もお手の物。
子の尻をていねいに拭き文化の日 小島 健
パパの大きな手で可愛らしいお尻を丁寧に拭くのです。そこに愛情があふれております。ハイハイをし、立って歩くようになるとヤンチャになってきますよね。
一緒にお風呂に入って、湯上りの子どもをバスタオルで拭くのですが、バタバタと廊下を走ってゆく子どものお尻が青いこと。蒙古班ですよね。それもまた可愛い!
それを「まてまてまて」と追いかけていくパパの顔がニッコリしていて楽しそうです。バスタオルに包みこんで子どもをしっかりと抱きしめます。 こんな満ち足りた新婚生活の一つひとつの気づきも俳句になるのです。 この子どもはどのように成長していったのでしようか。
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私たちは春夏秋冬の移ろいのなかで暮らしています。俳句は、悠久の時間の流れのなかにあって「いま」という時間と、私たちの目の前に広がっています空間における「ここ」という断面を切り取って詠みます。
芭蕉は、「物の見えたる光、いまだ心に消えざるうちにいひとむべし」と言っております。この「物の見えたる光」に気づき、それを受け止めて十七音にしてゆくのです。 そして、「物の見えたる光」を受け止めるには、正しく見るということが必要になってくると思います。それを俳句として正しく語ることよって心が解放されていくのです。
石嶌 岳(俳人)