“”(とつ)と“”(肉づき)の組み合わせ。
“”は、「子」の字形を逆さまにした形で、“”が“”となり、赤子が頭を下にした正常な姿で生まれるさまを表現している。
「月」は肉の形で生まれた子が、健康に肉がつき、大きく育つことを表わしている。
旧字は「毓」。「毎」は母親が働く姿を表わし、“”()は、生まれた赤子に産毛を加えた形。
生まれた赤子を母親が育てる意味となる。その姿は、巣に献身的にせっせと餌を運ぶ鳥獣の親となんら変わりない。
そう。子育てすることは、一日たりとも手を抜いたり休むことを許されない、まさに「徹する」ということなのである。
書・文
樂篆家
樂篆家
髙橋 政巳(たかはし まさみ)
1947年、福島県生まれ。樂篆倶楽部主宰。刻字家。自身を樂篆家と称し、篆書をはじめとする書を通じ、文字のもつ歴史的意味や美しさの伝承に力を注ぐ。毎日展審査会員、NHK文化センター講師、日本刻字協会常任理事および審査員、会津欣刻会会長を務めた。主な著書に『感じの漢字』『感じる漢字』など。2015年没。