うつ病や不安障害などの精神疾患を治すための「マインドフルネス心理療法」をご存じですか?
うつの予防には、アメリカ人医師のジョン・カバット・ジンのマインドフルネスに基づくストレス低減プログラム(MBSR)が広く知られていますが、実は日本にもあるんですよ。
それが、自己洞察瞑想療法(SIMT)です。
私(ビーママ)は、今年の6月から、SIMT開発者の大田健次郎氏(日本マインドフルネス精神療法協会理事長)が主催する「マインドフルネス瞑想療法士(MMT)育成講座」に参加しています。
アラフォーワーママ(3歳児育児中・常に余裕なし)である私に、果たしてマインドフルネスの実践ができるのか。そして、MMTになれるのか!? いろいろ疑問はありますが、この連載では、マインドフルネスを身をもって学び、実践するリアルな日々を綴っていきます。
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育成講座は、全10回の講義と課題の実践で構成されています。
第2回のMMT育成講座は、7月14日(土)9時半~16時半まで、埼玉の浦和会館にて、開催されました。
講義内容は、「うつ病は死にたいほどつらい病気」「自己洞察瞑想療法(SIMT)による改善のエビデンス」「呼吸法の生理学」「SIMTの背景にある西田哲学の意志作用」など。
この日は、SIMTのプログラムには入っていませんが、ジョン・カバット・ジンが開発したマインドフルネスの手法のひとつ「ボディスキャン」の体験学習もありました。これは、仰向けになり、足の指先から頭までひとつずつ意識を向けていく作業です。
帰宅後は、また1か月かけてマインドフルネス実践の日々です。
心理現象に名前をつける
第2回の課題は、「感情的になった出来事を記録して、その心理現象に名前をつける」というものでした。自分の中でいま、何が起きているのかに気づき、それに感覚、感情、思考、行動などと名前をつける(ラベリングする)のです。
最近、子どもが保育園に行きたくないと言います(泣)。朝、グズグズすることが多く、しかも、送り担当の夫が子どもを急かしたりして、私はかえってイライラ……。じゃあ、どうすればいいか、帰宅後に夫と話し合うことになりました。
「とにかく出がけに時間がかかる(着替えるだけで数十分とか)から、子どもの起床時間をもう少し早めてほしい」というのが夫の言い分。
「でも、あの子の睡眠時間を考えると、これ以上の早起きは無理。ごちゃごちゃ言うのなら、私が保育園に送っていくからいい!」と私。
結局、ケンカになってしまいました。
話し合いのためについたテーブルでは
そこで、次のように記録しました。〈〉内は名前をつけた(ラベリング)部分です。
「あーイライラする〈感情〉。夫は朝もギリギリまで寝ていて、登園準備だってほとんどしないくせに、プレッシャーばかりかけてきて、ほんとに嫌になる〈感情〉。とてもじゃないけど、優しい気持ちにはなれない〈本音〉。私の中に夫に対する嫌悪があるようだ〈本音〉」
以上に対して、講師からのコメントは……。
「夫に対して、いくつかの種類の本音を持っていますね。すると、その本音が言葉や行動に影響を及ぼします。そういう行動を繰り返すと、行為レベルから人物レベルの嫌悪にもつながってしまいます。悪化すると離婚にもなりかねません。現在進行形で、本音の仕組みをよく観察して、反応(言葉や態度)を変えてみる工夫が必要です」とありました。
なるほど。よくわかりました。
夫に対する“嫌悪の本音”は、「○○をしてほしくない」という小さな本音の積み重ねから生まれていたということが。そして、人物レベルの嫌悪の本音は、最悪離婚につながることもある。心しておきます。
ですが、講師の言われる現在進行形での本音の観察というのは、とても難しいです。感情的になっているときに、これは本音からきている! と気づくというのは、かなりの高度な技だと思います。これもマインドフルネスの実践を続けるうちにできるようになるのでしょうか!?(次回に続く)
※SIMTに興味を持たれた方は、佼成出版社の本『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』をご覧ください。