うつ病や不安障害などの精神疾患を治すための「マインドフルネス心理療法」をご存じですか?
うつの予防には、アメリカ人医師のジョン・カバット・ジンのマインドフルネスに基づくストレス低減プログラム(MBSR)が広く知られていますが、実は日本にもあるんですよ。
それが、自己洞察瞑想療法(SIMT)です。
私(ビーママ)は、2018年の6月から、SIMT開発者の大田健次郎氏(日本マインドフルネス精神療法協会理事長)が主催する「マインドフルネス瞑想療法士(MMT)育成講座」に参加しています。
アラフォーワーママ(3歳児育児中・常に余裕なし)である私に、果たしてマインドフルネスの実践ができるのか。そして、MMTになれるのか!? いろいろ疑問はありますが、この連載では、マインドフルネスを身をもって学び、実践するリアルな日々を綴っていきます。
* * *
MMT育成講座は、全10回の講義と課題の実践で構成されています。
第8回の講座は、1月12日(土)9時半~16時半まで、埼玉の浦和会館にて、開催されました。
実は私、体調を崩して第8回の講座をお休みしてしまいました。講義テーマは、「禅の哲学とマインドフルネス、その現代的課題」だと聞いています。お休みした分は、来期の講座に振り替えできるようなので、来期に出席するつもりです。
さて、本講座では、第8回までの講座出席と、課題・小論文の提出をもって、「マインドフルネス瞑想療法士」の資格認定を申請できるとのことで、私も早速申し込みをしました。さぁ、どうなることやら。
ご近所トラブル?
第8回の課題は、前回同様、感情的な出来事について、どのように処したか、本音の洞察も含めて記録します。
1か月かけて、課題を実践するのですが、今回は近所に住む小学生のAちゃんとの出来事を記録しました。
夕方、子どもと帰宅するとき、いつも通る公園で遊んでいるのがAちゃんです。うちの子と仲がいいので、会うとしばらく遊ぶために時間が費やされます。ほぼ毎日の日課のようになり、早く帰宅したい私にとっては少々心の重荷となっていました。
その日は、公園を通らず別のルートで帰宅したので、Aちゃんには会わずにホッとしている自分がいました。
それなのに、なぜかAちゃんが私たち目がけて走ってきました。
逃げるように帰っている最中だったので、私はビックリして「ごめんね。今日は急いでいるから帰るね」というのが精いっぱいでした。
私、子ども相手に何をやっているのだろう、と自分の心を見つめてみました。
すると、Aちゃんに嫌われたくない。Aちゃんにも嫌な思いをさせたくない、などの本音が見えてきました。
そして、根っこには、「一体、あの子の親は何をしているのだろう。毎日、子どもを一人にして。これでは放置子じゃないか」というAちゃんの親に対する怒りがあることに気づきました。
マインドフルネスで食器洗い
講師によると、「これは、ちょっと軽い嫌悪系の本音ですね。近所の人との出会いで、新しい本音が形成されました。自然なことです。自分を責める必要もありません。人はみな自己中心的な本音を持つものですから」とのことで、ただし、自分や相手を責める本音や考えをうずまかせるのではなく、軽く流すことが大切とのことでした。
そうですね。今回のような大した出来事でない場合、軽く流していくことは可能ですが、頭のなかでグルグルと答えの出ないことを考え続けてしまうことってありますよね。
そんなときこそ、マインドフルネスの出番。私が好きなのは、食器洗いです。
途中、何か考えていることに気づいたら、「考えているな」とラベリングしながらも、手元の感覚に集中します。丁寧に食器を洗い続けていると、不思議とざわざわとしていた気持ちも落ち着いてきます。水に流すという効果があるのかもしれません。食洗機があれば時短になるだろうに、とも思うのですが、なかなか好きな時間なのです。
SIMTの場合、このように何かをしながら自分の心を見つめる「行動時自己洞察」のトレーニングを大切にしています。ゆっくりと座る時間をもてない私のような人にもこれはおすすめです。(次回に続く)。
※日本マインドフルネス精神療法協会では、今年度も6月よりマインドフルネス瞑想療法士の認定講座を開催します。場所はさいたま市(または東京)。また別の都市でも開催を検討中です。詳細はサイトをご覧ください。http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/
※SIMTに興味を持たれた方は、佼成出版社の本『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』をご覧ください。