「マインドフルネス瞑想療法士」への道

【レポート】“マインドフルネス瞑想療法士”への道 最終回

文=ビーママ
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うつ病や不安障害などの精神疾患を治すための「マインドフルネス心理療法」をご存じですか?

うつの予防には、アメリカ人医師のジョン・カバット・ジンのマインドフルネスに基づくストレス低減プログラム(MBSR)が広く知られていますが、実は日本にもあるんですよ。
それが、自己洞察瞑想療法(SIMT)です。

私(ビーママ)は、2018年の6月から、SIMT開発者の大田健次郎氏(日本マインドフルネス精神療法協会理事長)が主催する「マインドフルネス瞑想療法士(MMT)育成講座」に参加しています。

アラフォーワーママ(3歳児育児中・常に余裕なし)である私に、果たしてマインドフルネスの実践ができるのか。そして、MMTになれるのか!? いろいろ疑問はありますが、この連載では、マインドフルネスを身をもって学び、実践するリアルな日々を綴っていきます。

     *   *   *

MMT育成講座は、全10回の講義と課題の実践で構成されています。
最終回となる第10回の講座は、3月9日(土)9時半~16時半まで、埼玉の浦和会館にて、開催されました。

第10回の講義テーマは、「深い日本的マインドフルネスへ」でした。SIMTで扱う意志作用が働く場所である「意志的自己」、そして「叡智的自己」よりも、さらに深い階層に当たる「人格的自己」について学びました。

夫との関係が変わった!?

これまで9回にわたって、対人関係で起こった感情や本音などを洞察し、その模様を赤裸々に書いてきました。

そのなかで一番の変化は、家族との関係です。
特に夫との関係が目に見えて変わりました。

最終回となる今回は、SIMTを通して夫との関係がどのように変わっていったのか、お伝えしたいと思います。

画像・AdobeStock

最初の頃に書いたかと思いますが、出産後から夫に対する嫌悪感のようなものが強く、そこから抜け出せずにいました。
それに加えて、ほぼ私がワンオペとなっている家事・育児への負担感から生じる相手へのネガティブモードから、夫に対してまったく優しい気持ちになれなかったのです。

自分でも、いつもイライラして、好戦的で、そんな自分が嫌だったのですが、どうしたらいいのか分かりませんでした。

いま考えると、自分の中で、感情やら感覚やら思考やらというものがまったく未整理のままぐちゃぐちゃになっていて、自分が本当はどうしたいのかということまで見失っていたように思います。

SIMTの実践を続けるようになると、「いまイライラしている。これは感情」など、自分の状態がよく分かるようになりました。そして、そういうときは呼吸法をしてみようなど、自分のなりの対処が少しずつできるようになりました。

そうやって、自分の状況を客観的に見られるようになると、本当の願いが見えてきました。
それは、「夫と子どもと家族みんなで幸せに暮らしたい」というものでした。

それが分かれば、あとは、その価値・願いを崩壊させないようにするだけ。
なのですが、それだってすぐにできるものではありません。
大田先生が言われるように、“SIMTは生きている限り続ける心のトレーニング”なのですから。

地道なトレーニングを続けてきて、最近の私と夫の関係はと言うと、あまりひどいケンカをしなくなりました。以前には考えられないくらいの穏やかな関係です。
まあ、この先は分からないですが。
でも、SIMTにはそれだけの効果があるのは確かです。

大切なことは実践です。
本を読んだり、私のこの体験を聞いて、なるほどなぁと思ったとしても、
自分でやってみないことには始まりません。
私自身、本を読んで分かったように思っていたのですが、それは実践するのとは大違いでした。

うつ・不安障害などの治癒にもつながるSIMT。
私のつたない体験を通して、病気でなくても、普通の人が、より幸せになるためのツールとして役立つものであることが分かっていただけたらうれしく思います。
そして、多くの方に実践してもらい、ご自分で効果を確かめてもらえたらと願わずにはいられません。

資格認定されました!


蛇足ながら、前々回に申請した「マインドフルネス瞑想療法士(MMT)」の資格認定証が届きました!

この資格は、5年有効です。その間にMMTとしての活動をしながら更新ポイントをためて、更新手続きをしなければ資格は失効してしまいます。

私の場合、カウンセラーなどの対人支援職に就いているわけではないので、すぐに活動を始めることはできません。
でも、資格を持っているだけでは意味がないので、自己研鑽を続けながら、自分にできることを探していきたいと思っています。

※日本マインドフルネス精神療法協会では、今年度も6月よりマインドフルネス瞑想療法士の認定講座を開催します。場所はさいたま市(または東京)。また別の都市でも開催を検討中です。詳細はサイトをご覧ください。http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/

※SIMTに興味を持たれた方は、佼成出版社の本『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』をご覧ください。

〈書籍情報〉
うつ・不安障害を治すマインドフルネス
著者:大田健次郎
出版社:佼成出版社
定価:本体2,000円+税
発行日:2013年6月
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