「南無中心軸大菩薩」
樺島勝徳:臨済宗天龍寺派薬師禅寺住職。1949年生まれ。元花園大学非常勤講師・鍼灸指圧師
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「中心軸大菩薩」とはいったい何だろう。
ここでいう中心軸とは、主に、骨盤にくっついている大腰筋、そして脊柱起立筋のこと、という樺島さん。
人類は古来、禅定・坐禅によって、中心軸としての深層筋を育ててきたという。坐禅中働いている筋肉は、この中心軸を構成する深層筋だけである。そして大腿筋の内側が充実していると、フィジカル、メンタル両面の安定が期待できる、と樺島さんは言います。
樺島さんは、幼少の頃から中年期まで、アレルギー喘息に悩まされてきました。現代医学をもってしても、あるいは漢方を中心とした中医学をもってしても、その病魔の退散を我がものとすることはできなかったのです。
しかし、とうとう「自身の生命力」を高めるしかないと思い到り、それには身体の声を聴き、その願いを感じ取れるようになることだ、と悟りました。それが、一つには中心軸を鍛えることとなってゆくのでした。中心軸が、大菩薩へと転身していくゆえんです。
そのために必要な、メインディッシュとなる体操を紹介してくださいました。名付けて「骨盤おどり」。
と、その前に実験です。「前屈してみてください。手は、どこまで届きましたか? 覚えておいてくださいね」と樺島さん――それでは以下の手順にそって体操をしてみてください。
まず立った姿勢で、頭に1~2キロばかりの重しを置く(砂袋が理想)。片方の膝を直角に上げる。さらに高く上げる。そのままの姿勢を保ち、同側の骨盤を前方に引き上げて20秒。このとき、足をすこし内側にもってゆくのが秘訣です。そして、もう一方の足も同様に。
ここでもう一度、前屈です。不思議なことが起こりました。多くの人が、身体が柔らかくなっているのです。そのわけを「中心軸を矯正、ストレッチすることにより、前屈姿勢が取りやすくなる」と樺島さんは説明してくれました。
(Zen2.0のレポートは次回へ続きます)
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