ブックレビュー

【書評】空からのぞいた桃太郎 著:影山徹

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芝居小屋に魚屋さん、魚屋さんの隣に果物屋、そしてその隣が“金棒屋”…あの「鬼に金棒」の金棒屋である。そうここは、昔話「桃太郎」でおなじみの鬼ヶ島だ。赤子を連れて買い物をする母鬼、路上では呑んで、酔って、踊っている鬼たちの姿から、豊かでのどかな鬼たちの暮らしが伝わってくる。人間界から奪ったとされる金銀財宝も実はそうではないらしい。

ではなぜ、桃太郎は鬼を征伐に行く必要があったのだろうか。人のいいおじいさん、おばあさんに育てられた桃太郎に“征伐”などという心がどうして芽生えたのか。持ち帰った財宝をなぜ村人たちと分かち合わなかったのか。

上空から引いたタッチで描かれた全32ページの新桃太郎絵物語。慣れ親しんだ物語に、新たな発見があるかもしれない。

〈書籍情報〉
「空からのぞいた桃太郎」
著者:影山徹
出版社:岩崎書店
定価:1500円+税
発行日:2017年9月30日
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