人は死ぬ。必ず死ぬ。分かってはいても「死」を意識して生きる人は少ない。ただ、余命いくばくと告げられた人はどうだろうか。
モリー・シュワルツ教授。「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」を発症し、余命は2年と宣告される。ALSは手足や呼吸に必要な筋力が衰え続ける病だ。著者のミッチは、モリー先生の教え子だ。卒業から16年ぶりに再会、自宅療養するモリー先生と二人、「人生」について対話を始めた。会うのは決まって火曜日だった。
死を前に、周囲に注ぐモリー先生の愛は変わらない。病に伏してもミッチの悩みに応える。「自分がしてあげられることを提供すること」。言葉でも、微笑でも。名誉やお金では得られない「人生の満足」をモリー先生は静かに語る。
「死で人生は終わる、つながりは終わらない」。