もっと楽に生きられないものか。ものに応じ姿形を変える水のように――無為自然の生き方を示した老子の思想を加島さんは詩に託す。最愛の友を亡くした、その悲しみと向き合う営みとして綴りはじめたものである。
悲しみが深ければ深いほど、心も深く沈み込む。出口を求めてもがくけれど、もがけばもがくほど抜け出せなくなってしまう。そんなダメな自分をまるごと「受(うけ)いれてみたらどうなるか」。加島さんは気づく。「勇気が湧くよ。小さな自分なりの勇気がね」。
もがいたり、目を背けたりせずに「受いれる」ことで思ってもみなかった豊かな世界が見えてくる。新たな展開、人の気持ち、やわらかさ、人の愛、大きな自分、そして自分自身を生かす命のルール……。