認知症の三つのステージ
前回、近い将来、男性が介護に携わるのが当たり前となる状況を紹介させていただきました。現在、私のクリニックでも認知症になった親や奥さんの介護に携わる男性が増えています。
認知症には脳の中の血腫、水頭症といったある程度治療が可能な機能障害の症状と、ほかは変性性疾患といわれる認知症があります。その代表的なものが日本では約100万人以上いるといわれている「アルツハイマー型」と呼ばれるもので、その次に多いのが運動機能が麻痺するパーキンソン病に似た「レビー小体型」と呼ばれる認知症です。
認知症には三つのステージがあります。一つは記憶障害と呼ばれるもので、いわゆる単純なもの忘れから始まります。第2の時期が、たとえば電子レンジで食事を温めて食べるという、それまでできていた行動がうまくできなくなる実行機能障害。そして最後は、歩けなくなるなど、体を動かすことができなくなる運動機能障害です。アルツハイマーなどで、この最後のステージになるのは、女性に多いといわれています。
また、レビー小体型認知症は、運動機能障害になる時期がアルツハイマー型よりも早く訪れます。すでにアルツハイマー型やレビー小体型の認知症になって動けなくなった家族の介護をしている男性も少なくありません。そうなると、料理や排せつケアなど、不慣れなこれらの行為をせざるを得なくなります。