原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一話

生きるということは他の生命を奪うこと

アルボムッレ・スマナサーラ
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すべての者は暴力におびえる。
すべての(生きもの)にとって生命は愛しい。
みずからの身にひきくらべて、殺してはならない。殺させてはならない。

「ダンマパダ」(130)

みずからが幸せになろうと思って、そのために幸せを求めている他人に
暴力でもって害するならば、その人は幸せを得られない。

「ダンマパダ」(131)

画像・AdobeStock

わたしが平和で生きていたいように、他者も同じように平和に生きていたいのです。わたしが殺されたくないように、他者も同じように殺されたくないのです。

だから「いじめられたくない。けなされたくない。殺されたくない」のであれば、他者にたいして、そのようなことをしてはなりません。「わたしを殺すな。しかし、わたしはあなたを殺すぞ」とか「わたしをけなすな。でも、わたしはあなたをけなす」という理屈は成り立ちません。

では人間以外の生命ならば、殺生をしてもよいのでしょうか。ゴキブリにもアリにも、生きとし生けるものすべてに、堂々と生きる権利があります。
わたしたちに、かれらの生命を奪う権利などないのです。他者の権利を奪えば、自分の権利がなくなってしまうことを覚悟しなければなりません。

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