原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一話

自分で生んだ苦からは逃れられない

アルボムッレ・スマナサーラ
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悪いことをした人は、この世で悩み、来世でも悩み、二つのところでともに悩む。かれは、自分の行為が汚れているのを見て、憂え、悩む。

                   「ダンマパダ」(15)

善いことをした人は、この世で喜び、来世でも喜び、二つのところでともに喜ぶ。かれは、自分の行為が清らかなのを見て、喜び、楽しむ。

                   「ダンマパダ」(16)

嘘をついたり、殺生せつしようしたり、他人に迷惑をかけたり、悲しみを与えることは悪いことです。悪いことをすれば、まず自分自身が悩み苦しむことになります。よいこととはなにか。悪いこととはなにか。それは説明しなくても、自分自身が「実感」としてわかることです。

よいことは、ほんの些細なことでもやってみれば、「これは気持ちがいい」「安らぎが得られる」と実感できます。悪いことをする人は、その行為をする前から悩み苦しんでいます。そして、悪いことをした瞬間にも苦しみます。そのあとも、思いだしては苦しむことになります。苦しみが苦しみを呼ぶのです。たとえ悪事がバレなくても、自分自身の苦しみからけっして逃れることはできません。

わたしたちは、いつでも自分を評価して生きています。どんなに高得点をつけたくても、悪いことをすれば評価は下がります。よいことをすればおのずと評価は上がります。とてもいい自己採点ができます。いずれの評価も自分自身が「実感」としてわかるのです。

何事もうまくいっていて、自分も家族も幸せな人は、他人に危害を与えたり、迷惑をかけるようなことはしません。自分が明るくて充実しているときには、思わず微笑んでしまいます。挨拶することは、とても気持ちがいいし、なんの抵抗もありません。心に喜びを感じながら、よいことをすればするほど、周りからよい反応が返ってきます。自己を採点すると、うまくやっているという満足がさらにふえます。すると、さらによいことをしたくなります。

よい行為をする人は、「今」に喜びがあり、これからも喜ぶことができるでしょう。悪い行為をすると、悩みや苦しみがふえるばかりです。今も悩み、これからも悩むことになるでしょう。

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