原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一話

すべての争いはプライドがあるから起きる

アルボムッレ・スマナサーラ
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「かれは、わたしをののしった。
かれは、わたしを害した。
かれは、わたしにうち勝った。
かれは、わたしから強奪した」と
くやしさをもって怨みつづける人には、
怒りはついに鎮まることがない。

「ダンマパダ」(3)

 

画像・AdobeStock

「どうしてお茶を入れてくれないのだ」「妻なら当たり前じゃないか」「どうして、親にそんな言い方をするのだ」──などという些細なことで、家族のあいだでも争いが起こることがあります。いずれも「自分のプライドが傷つけられた」と思い込んで腹を立てているのです。

しかし、落ち着いてよく考えてみると、相手はなにも「プライドを傷つけよう」などとは思っていないのです。たんに、忙しかったり疲れていたからだったり、あるいはもともとの性格のためということがほとんどでしょう。
日常の些細なことにとらわれたあげく、わざわざプライドをもちだすと、人とぶつかってばかりで、心は平穏ではいられません。

「バカ」と言われたからといって、自分が「バカ」になるわけではありません。その人がそう思っているだけのことなのです。だからいちいち怨みに思い、腹を立てたら自分が損をするだけです。人はプライドのために、戦争さえ起こします。

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