修行僧たちよ、
ジャスミンのツルが萎れた花びらを捨て落とすように、
貪りと怒りを捨て落とそう。
「ダンマパダ」(377)
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人は、自分の欲も怒りも可愛いものです。自分には正当な理由があって怒っているのだと正当化さえします。
人にとって怒りと欲は、自分の心に咲いた花のようなものです。しかし、いつまでももちつづけるのではなく、それは捨てたほうが安全なのです。わたしたちは、怒りと欲によって心身が消耗しています。怒りは余計なのです。
いつも「戦わなくてはいけない」「負けるものか」という気持ちでいる人がいます。どんな話をしても否定的な意見ばかり述べ、いつも相手を批判しています。ふとしたことばにも怒気が含まれ、つねに周囲に威圧感を与え、恐怖感をまき散らします。だから人と無用な争いを起こすのです。
また世の中は「もっともっと」という欲で動いています。それはまるで喉が渇いた人が際限なく水を欲するように、わたしたちがあらゆるものを欲しがるからです。そのような欲は余計なものなのです。
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