この道を実践するあなたたちは、
苦しみを終わらせるだろう。
わたしは苦しみの矢を抜いて
癒す方法を知っているので、
この道を説いているのだ。
「ダンマパダ」(275)
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いやな出来事というのは、だれもが鮮明に覚えているものです。
「あの人にあんなことをされた、こんなことをされた」「あんなことも、こんなことも言われた」……。すでに終わったことなのに、それを何度も何度も思いだしては、悩んだり悲しんだり怒ったりするわけです。
けれども、あなたにいやなことをした相手は、そんなに悪いことをしたとは思っていないばかりか、もうとっくに忘れているかもしれません。
終わったことを心のなかにたもちつづけているのは、矢が刺さったまま抜かずに、「痛い、痛い」と嘆いているようなものです。
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