心は煩悩が漏れることなく、
混乱することもなく、
善も悪も乗り越えて、
目覚めている人には、
なにも恐れることがない。
「ダンマパダ」(39)
画像・AdobeStock
わたしたちは、四六時中、いろんな情報にさらされています。そして、その情報に接するたびに、好きとか嫌いとか、善いとか悪いとか、いつも価値判断を下しています。心が混乱してしまうのも当然です。この状態をなくすためにはどうしたらいいか、それを考えてみましょう。
わたしたちは、朝起きてから寝るときまで、さまざまな問題に出遭います。問題が起こらないことなど、いっときとしてありません。寝ても眠れなければ問題だし、眠れば眠ったで悪い夢を見たりして、これはこれでまた問題なのです。ところが、「困った、困った」と嘆きつつも「この問題さえ解決すれば、なんとかなる」とも思っています。
しかし、じつのところ、その問題を解決してもなんともならないのです。というのは、また新しい問題が生まれてくるからです。
問題というものは、雲霞のように、また深い海のように、かぎりなくあるのです。だから巧みに生きるには「問題を解決しよう」という考えを捨ててしまうのです。「問題はつねにあるものだから、あってもいい。問題は邪魔なものではない」という広い気持ちでいることです。
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