会社経営者だった岸田さんは
多額の持ち逃げに遭い、会社は倒産。
伴侶にも逃げられ、ホームレス生活を送り、
自殺一歩手前まで追い詰められたといいます。
現在は悩める経営者の支援と社会貢献に生きがいを見出す岸田さんが、
ホームレス生活から立ち直るまでと
「運とご縁の引き寄せ方」を赤裸々に語っていきます――。
起業、そして海外進出
ホームレス生活という奈落の底に落ちる前の話を少ししましょう。私は、大学卒業後、広告代理店に就職しました。入社して3年間は目いっぱい働いて、吸収するものは吸収してから起業するつもりでした。他の社員が嫌がる仕事でも率先してこなしました。勉強しながら給料を頂けるのですから。全てが勉強と思い、仕事に邁進しました。
私の計画は上手くいき、予定通り3年後に26歳で広告デザイナーとして起業。とは言うものの、実のところクライアントもなく、すぐに売上も立たないため、自分の貯金を切り崩す毎日で、電車賃もなくなってしまい、ついには一日一食の生活に追い込まれたのです。
周りの人は、無謀な起業だと言っていたようですが、負けじ魂というのは、そういう時に発揮されるものなのでしょう。交通費節約のため中古自転車を購入し、大阪市内のほとんどを毎日自転車で営業に回りました。何度も何度も顔を出していると、営業先の担当者も小さい仕事から注文を出してくれるようになりました。
仕事が受注でき、初めての入金は起業して半年後で、その額2万5千円。少ない金額ですが、自分で勝ち取った信用の結果だと喜びをかみしめたことを今でも覚えています。そこからさらに小さい努力を重ねた結果、人を雇えるようになり、5年後には法人化するまでになったのです。
その後、クライアントから「東京に進出しないか?」という誘いがあり、迷わず首を縦に振りました。さらに今度は、北米・カナダに進出する計画が持ち上がりました。その計画をすぐに実行。無我夢中で頑張った結果、大阪・東京で広告代理店・プロデュース会社、北米・カナダで人材派遣と観光事業を展開し、業績は順調でした。
(次週に続く)
岸田さんのブログ