元ホームレス社長の運とご縁の引き寄せ方

元ホームレス社長の運とご縁の引き寄せ方(30)

岸田昌幸(中小企業再生支援コンサルタント・学習塾オーナー&塾長)
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会社経営者だった岸田さんは
多額の持ち逃げに遭い、会社は倒産。
伴侶にも逃げられ、ホームレス生活を送り、
自殺一歩手前まで追い詰められたといいます。
現在は悩める経営者の支援と社会貢献に生きがいを見出す岸田さんが、
ホームレス生活から立ち直るまでと
「運とご縁の引き寄せ方」を赤裸々に語っていきます――。

親の借金

親子の絆は何があっても切れないものです。私がまだ学生だった頃のことです。こんな出来事がありました。父親が会社を定年退職したのを機に、今までの家を売って、奈良県に新しい家を建てることになりました。退職金を頭金にし、残りは銀行から借り入れ、まだ働ける父親が毎月、返済するという計画でした。当初は計画通りにいっていましたが、ある時、父親が通勤途中に駅の階段から転げ落ちて骨折し、働けなくなってしまったのです。

父親の仕事は月払い契約のアルバイト契約でしたので、働かないと収入がありません。家のローンも返済しなければなりません。そこで、大学生だった私は、アルバイトをしていましたが、家計を助けるため、時間を増やしました。大阪でのアルバイトが終わって、奈良まで帰るのが最終電車になることも度々ありました。その収入で何とか家のローンの返済ができるようになったのです。

父親の怪我が治って働けるようになるまで、そんな生活が続きました。友人たちは授業が終わると遊びに行ったりデートしたりしているのを羨ましく思ったものです。私は家のローン返済のために働いているのですから。そんな友人たちを横目で見ながら、いつかはのし上がってやるという気持ちを強く持ちました。

しかし、午後から夕方までだったアルバイト時間を夜まで延長してもらうことによって、新しい人との出会いもありました。その出会いが会社を立ち上げる時に役立ったのです。その時は、そんなふうに考えていませんでしたから、人との縁は不思議なものです。

(次週に続く)

岸田昌幸(きしだ まさゆき)
大阪府生まれ。大学卒業後、広告代理店に就職。その3年後、独立しデザイナーとして起業。その後、事業拡大に伴い、法人化し、広告代理業、店舗・モデルハウス・展示会等、プロデュース部門を立ち上げる。大阪本社・東京支社・北米カナダ支社を設立。23年間、経営者として事業展開。しかし、会社で多額な持ち逃げ詐欺に遭い、全てを失いホームレス生活に。そこから這い上がり、自分のように苦しんでいる人を助けたいという思いから、自らが積み重ねた経営者の経験を活かし、中小企業再生支援コンサルタントとして活動。業種・業態を問わず、講演会・クライアントへの指導を通じて、成功に導くための方法論を体系化し、成果を上げている。2018年には日本の教育の向上と地元への貢献を考え、小・中学生対象の学習塾を開校。モットーは、「日本を元気に!」
岸田さんのブログ
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