会社経営者だった岸田さんは
多額の持ち逃げに遭い、会社は倒産。
伴侶にも逃げられ、ホームレス生活を送り、
自殺一歩手前まで追い詰められたといいます。
現在は悩める経営者の支援と社会貢献に生きがいを見出す岸田さんが、
ホームレス生活から立ち直るまでと
「運とご縁の引き寄せ方」を赤裸々に語っていきます――。
本当の友情とは
これまで山あり谷ありの苦難の道を越えてきました。失敗の繰り返しであり、神経をすり減らすことばかりでした。まるで、小船で荒海に出るような苦難の道程。私が苦難に陥った途端に去っていった人もいます。気落ちして弱っている自分に甘い言葉を掛けてきた人もいます。今までの人脈を利用しようとした人もいます。
そんな中で、私なりに本当の友情とは何か、と考えたりもしました。困っている時に助けてくれるのが本当の友情と言いますが、果たしてそれだけでしょうか。
私が苦しんでいる時にありがたかったのは、ちょっとした心遣いの言葉でした。何気ない言葉、壁を破る勇気と希望を与えてくれる前向きな言葉にどれほど助けられたことか。お金や物ではないのです。もちろん、お金も必要でした。しかし、それ以上に気遣ってくれる言葉に触れることが、一番の宝物でした。
何でも相談できる人がいることは、当たり前のことではありません。本当に幸せなことです。愚痴ばかり言っていると、運気も下がってしまいます。困難の渦中にいる人は、孤独感にさいなまれやすいものです。だからこそ“自分は一人ではない”と気付けば、どれほど希望となるでしょうか。自分のことを分かってくれる人がいる、それだけで生きる力が湧いてくるものです。
他人から裏切られ、傷付けられた人の多くは、復讐心に燃えるでしょう。心に余裕がなくなると次第に不安なことばかり考えてしまいがち。このような状況では当然のことながら感謝の気持ちは湧いてくるはずもありません。実際にまったく余裕がない人がたくさんいます。しかし、友情に感謝することは、精神的な回復力を高めてくれるのです。
(次週に続く)
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