会社経営者だった岸田さんは
多額の持ち逃げに遭い、会社は倒産。
伴侶にも逃げられ、ホームレス生活を送り、
自殺一歩手前まで追い詰められたといいます。
現在は悩める経営者の支援と社会貢献に生きがいを見出す岸田さんが、
ホームレス生活から立ち直るまでと
「運とご縁の引き寄せ方」を赤裸々に語っていきます――。
図書館で猛勉強
ホームレス生活をしながら夜のベンチで一人夜空を眺めている時、「このまま命を絶とう」と思ったことが何度かありました。実際、公園の木の枝にひもを掛けて首を吊ろうとしたこともあります。しかし、その時、「私は何も悪いことをしていないのに何で死なないといけないのか」という強烈な思いが湧いてきたのです。
「このまま命を絶ったら私の人生にはマイナスの足跡しか残らないじゃないか。この世に生を受けた限り、プラスの足跡を残したい!」
そう考えるようになったのです。
といっても何をすればいいか分かりません。自分には何ができるのだろうか、という自問自答を続ける中で、「私のように困っている経営者を助けたい」という考えに至りました。
とりあえず、皿洗いのバイトの空いている時間に阿倍野図書館に通い始めました。そこで、経営・金融・法律等の本を読み漁りました。しかし、知識は増えてきたものの、これからどう行動すればいいのか分かりません。そんな時、私の友人が中小企業支援コンサルタントの社長を紹介してくれました。それが私の人生で大きな分岐点になりました。
コンサルタントという仕事は、私にとっては未知の世界です。「本当にやっていけるのだろうか」という不安をかかえながら、バイトの空いている時間にその社長のもとへ通い、ノウハウを教えてもらうようになりました。しばらくすると、クライアントの会社にも同席させていただけるようになりました。しかし、着るスーツがなかったのが情けなかったです。
まだ勉強期間ですので、もちろん報酬などはありません。約半年が過ぎようかという頃に、社長から「岸田君、もうそろそろ一人で独立してやってみたらどうだろう?」と言われました。私としては、まだまだ自信がありません。しかし、そう言ってもらった以上、もう甘える訳にもいきません。ホームレスにまでなったのだから、もう恐れるものは何もない!!と腹をくくりました。これでホームレスコンサルタントの誕生です。
(次週に続く)
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