会社経営者だった岸田さんは
多額の持ち逃げに遭い、会社は倒産。
伴侶にも逃げられ、ホームレス生活を送り、
自殺一歩手前まで追い詰められたといいます。
現在は悩める経営者の支援と社会貢献に生きがいを見出す岸田さんが、
ホームレス生活から立ち直るまでと
「運とご縁の引き寄せ方」を赤裸々に語っていきます――。
ノンバンクからの督促に追われて
画像・AdobeStock
心温かい銀行員のBさんがいる一方、毎日、携帯電話に督促をしてくるノンバンクもありました。
私はまだ住所不定でしたので、連絡方法は携帯電話しかありません。裁判所で債権放棄に応じなかったノンバンクが5社ほどありました。私が保証人になっている以上仕方がないことですが、毎日の督促電話に疲れ果てた時期もありました。
例えば、会話内容はこんな感じです。
「返済はいつになったらしていただけるでしょうか?」
「現在ホームレスですので、なんとも言えません」
「そうしたら、いつ頃、ホームレスから脱して返済の目途はたつでしょうか?」
「そんなこと分かりません。目途がついたらこちらから電話します」
「ホームレスを証明するものはありますか?」
「ある訳ないでしょう」
「生活保護を受けられたらどうなのですか?」
「住所不定では生活保護は受けられません。それに生活保護の給付金から返済することは禁じられています」
「どんな状況でも、借りたお金は返済する義務があるでしょう」。
「返済する気持ちはありますが、どうにもならない状況を分かってもらえないのですか?」
毎日、同じやりとりの繰り返しです。
すべてとは言いませんが、人の命よりも返済義務を優先するような態度を見せるノンバンクもあります。貸す時は低姿勢ですが、返済できなくなると豹変するのです。
しばらくノンバンクからの電話が無くなったと思っていたら、今度は債権回収会社からの督促電話が止まりません。債権回収会社の方がもっとひどいものです。まるで闇金か取り立て業者のような口ぶりです。脅しのように言ってくると、こちらとしても返済する気持ちがあったとしても、「よし、戦ってやる!!」と思うようになるものです。
もちろん、本来、借りたお金は返さなければいけません。でも、お金に困っている人の弱みにつけこんでお金を貸し、高い金利で儲けようとする悪質な業者がいることも事実です。
(次週に続く)
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