元ホームレス社長の運とご縁の引き寄せ方

元ホームレス社長の運とご縁の引き寄せ方(12)

岸田昌幸(中小企業再生支援コンサルタント・学習塾オーナー&塾長)
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会社経営者だった岸田さんは
多額の持ち逃げに遭い、会社は倒産。
伴侶にも逃げられ、ホームレス生活を送り、
自殺一歩手前まで追い詰められたといいます。
現在は悩める経営者の支援と社会貢献に生きがいを見出す岸田さんが、
ホームレス生活から立ち直るまでと
「運とご縁の引き寄せ方」を赤裸々に語っていきます――。

生命保険で命を狙われる

画像・AdobeStock

Bさんの励ましで、心にわだかまっていた引っかかりが取れて、中小企業の再生を支援するコンサルタントとして仕事のスタートラインに着くことができました。仕事をするにも、まずは名刺を作成しなければなりません。しかし、私はホームレスですので、住所不定です。悩んだ挙句、名刺の住所欄を空白にした名刺を作成したのです。当然、情けない気持ちはありますが、「一日も早くこの名刺に住所を入れてやる!!」との気持ちが湧いてきました。

名刺ができ上がってきた時は、本当に嬉しかったです。知り合いに頼んで名刺をばらまいてもらうことにしました。すぐに反応があるわけではありませんが、仕事をしている自分を認めたかったという気持ちもあったのでしょう。

1カ月ほどして、ある零細企業のC社長を紹介してもらいました。人の良さそうなC社長でしたが、話を聞いてみると、資金繰りで困っているとのこと。何とか解決してあげたいと思いました。私は他のコンサルタントと差別化するために成功報酬でお金をいただこうと決めていましたので、この案件も、解決しない限りお金は入ってきません。解決までに時間がかかりそうで躊躇もしました。しかし悩んだ挙句、引き受けることにしました。

C社長に詳しく話を聞いてみると、かなり厄介でした。銀行から融資を止められて、闇金からお金を借り入れてしまい、脅されて命も狙われている……。こんな案件には、普通のコンサルタントは手を出したくないものです。

しかし、私自身、持ち逃げをしたAから裏社会の借入金の保証人にされていました。その手口とは、生命保険に加入させ、精神的に追い詰めて自殺まで追いこむというおそろしいものなのです。こうした場合は、すぐに生命保険を解約しなければなりません。まず私は、C社長が契約させられていた生命保険会社に電話をして、「御社は殺人の片棒を担ぐ保険会社なのか!!」と言って、解約させました。

良からぬ者たちが次の手を打つ前に、C社長の会社に何とか銀行からの融資を復活させて、闇金へ一括返済することを急ぐ必要がありました。それには専門チームを組まないと解決しません。私は、つてをたどって元銀行員、弁護士、裏社会に詳しい人物に声を掛け、チームを立ち上げたのでした。

(次週に続く)

岸田昌幸(きしだ まさゆき)
大阪府生まれ。大学卒業後、広告代理店に就職。その3年後、独立しデザイナーとして起業。その後、事業拡大に伴い、法人化し、広告代理業、店舗・モデルハウス・展示会等、プロデュース部門を立ち上げる。大阪本社・東京支社・北米カナダ支社を設立。23年間、経営者として事業展開。しかし、会社で多額な持ち逃げ詐欺に遭い、全てを失いホームレス生活に。そこから這い上がり、自分のように苦しんでいる人を助けたいという思いから、自らが積み重ねた経営者の経験を活かし、中小企業再生支援コンサルタントとして活動。業種・業態を問わず、講演会・クライアントへの指導を通じて、成功に導くための方法論を体系化し、成果を上げている。2018年には日本の教育の向上と地元への貢献を考え、小・中学生対象の学習塾を開校。モットーは、「日本を元気に!」
岸田さんのブログ
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