元ホームレス社長の運とご縁の引き寄せ方

元ホームレス社長の運とご縁の引き寄せ方(19)

岸田昌幸(中小企業再生支援コンサルタント・学習塾オーナー&塾長)
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会社経営者だった岸田さんは
多額の持ち逃げに遭い、会社は倒産。
伴侶にも逃げられ、ホームレス生活を送り、
自殺一歩手前まで追い詰められたといいます。
現在は悩める経営者の支援と社会貢献に生きがいを見出す岸田さんが、
ホームレス生活から立ち直るまでと
「運とご縁の引き寄せ方」を赤裸々に語っていきます――。

怪しい会長

画像・AdobeStock

友人の紹介で、ある事業に100万円を出資しました。すぐに返却するという話だったのですが、待っても待ってもお金が返ってきません。

私が電話で催促すると、事業の責任者だという「会長」と呼ばれる人物が出て来ました。会長は海外との仕事のためにフィリピンに住んでいるということでした。私は会長が話に入って来たので少しの安心感が生まれました。今、考えると馬鹿げたことなのですが、会長は「〇〇元首相と友人だ。〇〇会社の〇〇社長にお金を貸していた。莫大なゴールドを保有している。世界の通貨の価値は私の同意がなければ決まらない。北朝鮮拉致被害者は私のお金で日本に帰した。永久磁石モーターでスーパーカーを作った。電動自転車・EV車・タイの地下鉄は私が作った永久磁石モーターで走っている。10億円の水晶の仏像を持っている・・・」等々、並び立てていました。何故、そんなことを信じてしまったのか、不思議です。きっと人を信じ込ませる詐欺師独特の洗脳方法があったのでしょう。

すっかり信じ込んだ私は、会長の思うままに操られるようになりました。他にも永久磁石モーターに興味を持ち、出資する賛同者が増えてきました。心のどこかに少しの不信感はありましたが、これだけの賛同者が出て来ることを嬉しく思った程でした。

そんな時、ネットで会長が以前に100万の詐欺容疑で6年3カ月の有罪で刑務所に入っていたことを知りました。それを会長にぶつけてみると「あれは冤罪で私は何も悪いことをしていない。当時の検事と弁護士が結託して私を有罪に仕向けたことだ」とのことでした。その有罪に反論する会長のブログも読んでみましたが、私は、そちらの方を信じてしまったのでした。

(次週に続く)

岸田昌幸(きしだ まさゆき)
大阪府生まれ。大学卒業後、広告代理店に就職。その3年後、独立しデザイナーとして起業。その後、事業拡大に伴い、法人化し、広告代理業、店舗・モデルハウス・展示会等、プロデュース部門を立ち上げる。大阪本社・東京支社・北米カナダ支社を設立。23年間、経営者として事業展開。しかし、会社で多額な持ち逃げ詐欺に遭い、全てを失いホームレス生活に。そこから這い上がり、自分のように苦しんでいる人を助けたいという思いから、自らが積み重ねた経営者の経験を活かし、中小企業再生支援コンサルタントとして活動。業種・業態を問わず、講演会・クライアントへの指導を通じて、成功に導くための方法論を体系化し、成果を上げている。2018年には日本の教育の向上と地元への貢献を考え、小・中学生対象の学習塾を開校。モットーは、「日本を元気に!」
岸田さんのブログ
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