会社経営者だった岸田さんは
多額の持ち逃げに遭い、会社は倒産。
伴侶にも逃げられ、ホームレス生活を送り、
自殺一歩手前まで追い詰められたといいます。
現在は悩める経営者の支援と社会貢献に生きがいを見出す岸田さんが、
ホームレス生活から立ち直るまでと
「運とご縁の引き寄せ方」を赤裸々に語っていきます――。
これからが戦い
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前回、詐欺に騙されたことをお話しました。私にとって詐欺に遭ったことは、大きな障壁となりました。貯めたお金でマンションを購入しようと思っていましたし、事業も拡大しようと考えていた矢先ですから。全てが振り出しに戻りました。今でも私を騙した会社は大阪市内に存在します。しかし、仕事の実態はありません。会社が維持できているのも、騙された多くの人からの出資金があるからなのです。
当然、弁護士にも相談しました。「それは典型的な詐欺師が使う手口だ。一回、持ち逃げ詐欺で痛い目に遭っているのに、どうして分からなかったのだ」と反対に指摘されました。返す言葉がありません。まだ救いなのは会長の居場所が分かっているということです。姿を眩ますと詐欺事件になるので、返金を引き延ばす口実を日々考えているのでしょう。
しかし、このまま放っておくつもりはありません。騙された金額は、私の汗の結晶の2500万円なのですから。できるだけ多くの証拠を集めて、会長に刑務所に逆戻りしてもらわないといけません。時系列で、いつどこで何を話したか、いついくらの金額をどこに振り込んだか・・・等々、弁護士の指示の元、証拠を固めているところです。
私の第2の人生のために必死で貯めた貯金を、笑いながら持っていった詐欺師を絶対に許しません。それがまかり通るような社会ではいけないのです。私のような被害を受ける人がまた出てくるからです。私の戦いは、ホームレスから抜け出して終わりではありません。始まったばかりなのです。自分自身の夢を叶えるためにも前を向いて人生に勝たないといけないのです。
「こけたら立ちなはれ」とは、松下電器産業(現パナソニック)の創業者で「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助氏の言葉。今、その言葉の重みが分かった気がします。私も何度こけても立ち上がって、前を見つめて一歩一歩、進んでいきたいと思っています。最後に笑える人生のためにも!!
(次週に続く)
岸田さんのブログ