会社経営者だった岸田さんは
多額の持ち逃げに遭い、会社は倒産。
伴侶にも逃げられ、ホームレス生活を送り、
自殺一歩手前まで追い詰められたといいます。
現在は悩める経営者の支援と社会貢献に生きがいを見出す岸田さんが、
ホームレス生活から立ち直るまでと
「運とご縁の引き寄せ方」を赤裸々に語っていきます――。
さらなる試練
画像・AdobeStock
生きることを選択した私は、試練との戦いを終える時が来たと思えるようになっていました。心の中は、未来への希望と勇気で埋め尽くされています。つらいことがあったとしても、それに負けない自分になったような気持ちになっていました。「前を向いて進もう!!」と自分に言い聞かせながら大空を見上げていたものです。
ホームレスから立ち直ってからは、朝から夜中まで休み無しで人の何倍も働きました。ほぼ365日休み無しに働いていました。それもこれもまた、あのセレブな生活をしていた街に戻りたいという強い気持ちがあったからです。その甲斐あって8年後ぐらいには生活にも余裕ができ、貯金も人並み以上にできるようになりました。
そんな時です。友人から一本の電話がかかってきました。「友人の会社が資金調達に困っているのだけど話を聞いてもらえないか?」と。「直接、会って聞いてみましょう」と返事をして後日、会うことになりました。場所は、大阪市内の喫茶店。話の詳細はこうです。「京都市のある場所を再開発することと、永久磁石モーターで公害のないエネルギーの開発をすることになったのですが、その資金が少し足りません。お借りしたお金は、すぐに返却する予定なので、銀行融資は考えていません」。最初は、あまり信用もできず、半信半疑で話を聞いていました。その後、何度か話し合いの場を持ち、すぐに返却されるお金なら少し貸してもいいかと甘い考えが出てきてしまったのです。
その当時、私はかなりの貯金額がありましたので、自分自身に油断があったのでしょう。100万円を貸すことにしました。その時は、友人の紹介なので、あまり疑いもしていませんでした。
しかし、1カ月経っても2カ月経っても返金する様子がありません。何度か催促したのですが、「もうすぐ返却できるので、少し待って欲しい」との一点張りです。
(次週に続く)
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