お父さんのための介護教室

第4回 孤立化した介護は、負担も増大

医師 髙瀬 義昌
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

介護がきっかけで生まれる出会い

認知症の母親を在宅でお世話している男性のなかには、素晴らしい介護をされている人もいらっしゃいます。認知症でご近所との会話もできなかった母親が介護の甲斐あって喋れるように回復したという例もあります。

その男性も最初からそんな介護ができるようになったわけではありません。いろいろな経験と失敗を経て、私たちのような認知症サポート医やケアマネージャーとの出会いと交流を大事にしたうえで、粘り強い介護をされたことが良い成果をもたらしました。その方の介護を見ますと、ご近所で家族の介護をしている人たちとの新たな隣組ともいえる地域介護のコミュニティーも広がっています。

大切なことは、家族に介護が必要な状況になったと判断したならば、ためらうことなく市町村の「地域包括支援センター」や「障害福祉窓口」「保健福祉センター」に相談をしてください。

その他、「社会福祉法人 全国社会福祉協議会」(代表03-3581-7851)や認知症に関する全国的な民間組織の「公益社団法人 認知症の人と家族の会」(フリーダイヤル0120-294-456)で情報を集めると、同じような悩みで困っていらっしゃる方や、介護経験の先輩との貴重な出会いがきっと得られますよ。

髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
たかせクリニック理事長
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
1956年、兵庫県生まれ。信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了、医学博士。麻酔科、小児科研修を経て、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。著書に『これで安心 はじめての認知症介護』など。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る