(写真・PIXTA)
介護保険を利用するには
申請は、お住まいの市町村の介護保険窓口、地域包括支援センターへ介護保険被保険者証などの必要書類を提出するか、ケアマネージャーに申請代行を依頼することもできます。
申請をすると、認定のための訪問調査が行なわれます。この認定調査とともに必要になるのが「主治医意見書」です。これは、患者の病名や病状、心身の状態、認知症の有無、医学的見地から見た在宅介護で必要な配慮や介護サービスについて医師が細かく記入するものです。
記入を依頼するうえで心しておきたいことは、たまにしか診てもらっていないような大病院の医師ではなく、介護の原因となっている病気、体の状態を把握しているかかりつけの医師が適任だということです。日ごろから気心の知れたお医者さんを見つけておくことが大事です。まだ人数が少ないので早い者勝ちのところはありますが、認知症のケアに精通している在宅医療専門の医師との関係をできるだけ早く築いておけば理想的です。
私が診察している82歳のKさんのケースをご紹介します。ある日、Kさんの家族に自宅を差し押さえるとの知らせが役所から届きました。そこで初めてKさんが、数年前から認知症に罹っており、それが原因で税金を払っていなかったことがわかったのです。
親しい税理士さんに相談に乗ってもらうことで、何とか住む家を失わずに済みましたが、このご家族の場合もこの一件があって、ようやく介護保険の利用を申請するような状態でした。
Kさんのように、家主が認知症になって財産管理ができなくなってしまい一家が夜逃げをしなければならなくなったり、介護にかかる経済的な負担を誰がもつかで家族が争うことにならないためにも、有益な情報をより早く収集することや、サポートしてもらえる地域とのコミュニケーションづくりも不可欠です。
ほかにも支出の抑え方には、医療保険と介護保険を組み合わせて経済的負担を軽減できる「高額医療・高額介護合算制度」や、障害者を対象にした自立支援医療などがあります。この点についても、市区町村の担当者に相談されることをお勧めします。
