お父さんのための介護教室

車いすの利用は、乗っている人の立場になって

医師 髙瀬 義昌
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男性介護の注意点

イラスト3

男性は、非力な女性に比べて体力があるという思いから、介護についても力づくでやろうとしてしまい、肩や腰を痛めてしまうケースが多いです。とくにイラスト3のようなベッドから車いすへ介護者を移乗させるとき(逆も)に、体を痛めるケースがよく起こります。

また、車いすの速度も速くなり、乗っている人に恐怖感を与える場合も少なくありません。段差を越える場合も力づくでガンと押し上げたりすると、乗っている人には大きなショックを与えてしまいます。骨粗しょう症などの人は、そういうショックが尻もちをついたのと同じような衝撃を背骨に受けるため、背骨の圧迫骨折にもつながったりします。

つまりは、車いすを押す動作も乗っている人の視点に立って、基本に基づいたやさしい操作を心がけることが大切です。

髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
たかせクリニック理事長
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
1956年、兵庫県生まれ。信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了、医学博士。麻酔科、小児科研修を経て、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。著書に『これで安心 はじめての認知症介護』など。
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